チャイルドサポーター事務局の北田京子スタッフがボリビアの活動終了2地域を訪問しました。
リオカイネ地域
ハンガーゼロ(JIFH=日本国際飢餓対策機構)の支援地域を管轄してきたFHコチャバンバ事務所から車で約3時間。景色は一変し、美しい壮大な自然が広がります。
ハンガーゼロの支援でFHボリビアは12年前からリオカイネ地域で、教育、保健、収入向上など多岐にわたる分野において地域と連携して活動を実施してきました。そのことで、1人当たりの年間所得増加率は115%、5歳未満の子ども187人の栄養失調が33%から17%に軽減されました。60%以上の家庭で食習慣が健康的なものへと大幅に改善され、子どもの健康と発達に良い影響を与えています。学校の教師への研修は、教育指導の質の向上につながり、子どもたちの学力は20%、識字率は15%向上しました。FHスタッフは340世帯を1,700回にわたり訪問しながら、子どもと保護者を励まし続けてきました。
システムでレモンの収穫量が増加
水の問題は、子どもたちの家庭だけでなく農家にとっても特に深刻な課題でした。ハンガーゼロの支援を通して、地域全体の水プロジェクトが推進され、ほとんどの子どもたちの家に手洗い所が備わり、257の灌漑システムが導入され、105世帯の農業生産が倍増しました。支援チャイルドの保護者は、「灌漑システムや自動給水システムの導入によってレモンの栽培量が増え、収穫時期には人を雇えるようになり、地域に雇用を生み出すことができるようになった」と話してくれました。温暖な気候のリオカイネでは、地域住民はFHから類の品種改良技術も習得、実践しています。
リオカイネでの支援終了式典
フロチコ村センター校で開催された支援終了式典は、地域教会リーダーの祈りで始まり、子どもたちの司会で進行され、日本からの支援とFHボリビアへの深い感謝が述べられました。
リオカイネ地域には、広大で美しい国立公園があり、恐竜の足跡も多数発見されています。トロトロ郡役所は今後の地域発展のため、観光業に力を入れていく方針です。FHボリビアも当面は地域に関わりながら、地域リーダーたちが主体的に観光開発を進められるよう支援していきます。
アサワニ地域
アサワニ地域には今回残念ながら訪問ができませんでしたが、現地入りできたFHの地域スタッフによって支援終了式典は無事に執り行われました。タパカリ郡の役所関係者及び学校関係者とは、最後の夜にコチャバンバ市内で会う機会があり、これまでのFHボリビアの働きとハンガーゼロの支援に対する感謝が述べられ、お互いの協力関係に感謝の挨拶を交わしました。
サポーターの存在の大きさを実感
最後に、前支援地域チャヤセンターの元支援チャイルドたちから話を聞く機会がありましたのでご紹介します。彼らの話を聞き、改めて子どもたちにとってサポーターの存在と支援がいかに大きかったかを実感しました。
「私が支援チャイルドで小さかった時に、必要な学用品を支援してくれました。FHのスタッフがいつも、いつも励ましてくれて、私の親にも話をして、私が勉強を続けられるようにしてくれました。看護師となった今、他の人を助けることができるようになりました。私たちに将来への扉を開いてくれたこと、支援チャイルドになれたことを私は誇りに思います。サポーターさんの手紙はとても大切にしています」
「ぼくは今、地域で土木の仕事をしています。『子どもの日』のお祝いの時に、ミルクチョコレートや甘いパンでお祝いしたことを覚えています。その時代を懐かしく思っています。皆さんのサポートに励まされて、高校を卒業してから町で専門知識を身に付けるために勉強を続けることができました」
励ましを与えてくれた方々の存在への感謝、また1杯のミルクチョコレートが貧しかった少年の心を今も温めているという話を聞き、リオカイネとアサワニ地域の子どもたちもこのように育ってほしいと、心から期待しています。献身的に地域に仕えているFHボリビアの働き、地域の方々の努力が実を結び成果を生み出したこと、そして何より、子どもたちへ温かい愛を示してくださったサポーターの皆様に、心より感謝申し上げます。
ハンガーゼロは今後、プロジェクト支援の形でFHボリビアとの協力を継続していきます。小西小百合駐在スタッフも活動を継続します。
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