健康に過ごすための生活習慣
母親が保健について学び、その内120名がリーダーとして育成されました。リーダーになった母親は、どのようにして保健の知識を地域に広めていけばいいか、その方法についてトレーニングを受けました。母親リーダーたちは近隣に住む720名のサークルグループに所属している母親たちに、母親と新生児のために必要なケア、基本的な栄養素の摂取方法と病気の子どもに与える補完的な食事とケア、健康に過ごすための生活習慣、呼吸器感染症と完全母乳育児などについて伝えました。
母親のリーダーは、他の母親たちに気づきを与えただけでなく、定期的に家を訪問して、学んだことを続けられるようフォローをしました。この取り組みによって近隣のサークルグループの母親のほとんどが、健康に過ごすための生活習慣の実践を始めました。また授乳中の母親をFHスタッフが調査したところ、88%の母親が母乳育児について十分に理解しており、実践していました。一方9%の母親は概念を理解していましたが適切に実践しておらず、3%の母親は全く理解していない、あるいはあまり理解できていないことがわかりました。この分析から、割合的には十分な成果が得られたと言えますが、100%の母親が完全母乳を実施できるように目指す必要があります。
トイレ使用率が飛躍的に上昇
マチュパラでは、水と衛生の問題がこれまで人々の健康を脅かしてきました。人々が池や水路などの汚れた水を飲んでいたからです。また極めて貧しい家族の多くは衛生的なトイレを持っていないため、野外で排泄をして衛生環境を悪化させてきました。この課題に対処するためにFHは、公衆衛生基準を満たした11の深井戸を地域内に設置、15のトイレ(10世帯と学校5校)も設置してトイレを使用する重要性について人々に伝えました。 FHはまた貯蓄グループのメンバーに、トイレを使用するように定期的に促してきました。その成果がみられ、メンバーの衛生的なトイレの使用率は過去5年間の推移をみても徐々に増えてきています。 2017年の使用率は57%でしたが、2021年には82%にまで達しました。
地域開発を村落開発委員会に委ねる
FHはマチュパラで貧困をなくすために、最も脆弱な家庭、女性、子どもに焦点を当てながら、健康、栄養、水と衛生プログラム、教育、生計、災害リスク軽減、指導者育成などに関する一連の活動によって包括的な地域開発を行ってきました。地域の市民社会、地元政府、宗教指導者、政治家などにも関わってもらって行ったこの参加型アプローチは、地域の人々に受け入れられました。
これまでのFHの歩みはいつも順調に進んだわけではありません。新型コロナの感染拡大や洪水、予期せぬ政治的干渉など、人為的および自然災害にも直面しました。この包括的地域開発がどれだけ地域に影響を与えたか今の時点で結論づけることはできませんが、それぞれの活動分野の実践レベルを分析し評価すると、収入改善、水と衛生プログラム、女性の自立、栄養状態の改善においては、成功したケースが数々みられます。いくつかの課題も残されていますが、FHは活動を地域に設立された村落開発組合に委ねながら、2021年12月撤退後も必要に応じて相談やアドバイスを行っていきます。
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