バングラデシュのソーマ・カトゥンさんは、父親、母親、妹、弟の5人家族で暮らしています。お父さんは、耕作のための小さな土地を持つ農民で、自分の土地で作物を栽培しています。昨年はコロナの影響を受けて十分な収入を得ることができず、危機的状況の中で多くの苦しみを味わいました。お母さんは、仕立てを行いながら、家畜を飼育し、家の前の小さな庭で畑仕事をしています。
【教育環境の不足】
ソーマさんの父親は家族が生活をしていくための基本的な必要をほとんど満たすことができず、母親は収入がありませんでした。ソーマさんが高学年になったとき、両親は彼女のために教科書を購入することすら難しくなりました。父親は、子ども3人分の食料と教育用品を手に入れることも難しくなりました。この地域に住む家族のほとんどは収入が少ないため、最低限の必要を満たすのに苦労しています。貧しい農民は自分の土地を持たず、日雇い労働者として働いているため、彼らの収入の多くは地主に搾取され、悲惨な生活を送っていました。
【貯蓄グループに参加して】
FH のスタッフは、ソーマさんのお母さんに女性のための貯蓄グループに参加するように勧めました。お母さんは、2008年に*貯蓄グループに参加するようになり、またソーマさんも*FHの活動に参加し、子どもクラブのメンバーとなりました。 スタッフはお母さんに、家族の状況を変えるためのアドバイスや収入を増やす方法について教えました。彼女は、仕立ての訓練を受ける活動に参加し、服の縫製ができるようになりました。さらに、彼女は貯蓄グループから融資を受け、ヤギを購入しました。このことで、お母さんが貧困に立ち向かう助けとなりました。それによってソーマさんは勉強をするための教材を手に入れることができました。
【ソーマさんの変化】
FHスタッフは、ソーマさんに子ども向けの活動に参加するように励ましています。お母さんは、毎週行われる集まりに参加をし、健康、価値観、教育、収入の促進などについて学び、多くの啓発プログラムに参加しました。ソーマさんはいつもよく勉強をし、弟がもっと学べるように勉強を手伝っています。彼女は学校の試験や課外活動でもより良い成績を収めました。コロナ禍の中でも、ソーマさんは自宅で勉強を続けています。
【感謝のメッセージ】
ソーマさん:「FH バングラデシュの活動に参加できてとても幸運だと感じています。FH がいなければ勉強を続けることはできなかったでしょう。サポーターさんがいることを誇りに思っていますし、子どもクラブに参加するのが大好きです。」
ソーマさんのお母さん:「私には家族を養う知識も能力もなかったのですが、FHの様々なトレーニングに参加し、いろんな能力を身に付けることができました。FHが助けてくれたことを忘れません。」
*FH:国際飢餓対策機構
貯蓄グループ:低資金をグループ内で出し合い、貯蓄した資金をお互いの必要に応じて活用する
子どもたちを支える方法は2つ
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